いーち
にーぃ
さーん
………
じゅうっ!
「もーいいかーい」
「もーいいよー」
「じゃさがすねっ!!」
かくれんぼの鬼のまさおが
みんなを探しにいこうとした
その時背後から声が聞こえた
「ねぇねぇ…」
「え?どうしたの?」
「あたしもやりたいな…」
20代ぐらいの若い女だった
「いいょー!!」
まさおが返事すると
女は「あたしが鬼ね」と言って
数をかぞえはじめた
怪しい笑みをうかべながら…
いーち…
にーぃ…
さーん…
…………
じゅーう…
その女がいる真後ろの
木の上に隠れているのは翼
すこし離れた草のしげみに
隠れているのは雄馬
そしてだいぶ離れている
木の後ろにいるのは玲とまさお
「かくれんぼの始まりだよ」
女は低くつぶやいた…