6、過去
「ちょっと広幡くん!
何であんなこと言ったの ?悪いのはあいつらでし ょ」
私は、下校しようとする
広幡くんをひき止めようと追いかけた。
すると、広幡くんは
こう言った。
「わかばさん。僕がなんで この学園に入ったか、
分かりますか?」
??私はいきなり
質問の答えと違うことを
言われて、一瞬混乱した。
「僕は、元は広幡流華道の 御曹司でした。小学生の 時までです。広幡流は
代々、女性中心に
回って来ていました…
あっ、でも、男が全然
何もしないって訳じゃ
ないですよ?
そんなある日、僕の母親 つまり広幡流華道の中心 となっている人が突然
亡くなってしまったんで す。父親もすごく
悲しんでいました。
ですが、女性がいないと 家元がまわらないため 父親もすぐに再婚し
子供も生まれたんです。 ですが、それが悲劇の
発端でした。
再婚した女性は役に
立たない、男の子供に
用はないと僕を捨てたん です。
僕は、なんでもない普通 の家に引き取られ、もう 3年以上過ごして
きました。」
広幡くんとこんなに
話したのは、はじめてだ。
ん?ちょっと待てよ?
「ということは、広幡くんって、お金持ちだったの!?」
「えぇ。」
「じゃあ、その事を
あいつらにいえば…」
「無理ですよ。
あの人たちが信じて
くれるワケ…」
「大丈夫!証拠があれば! 広幡流華道なんて、
あいつらの財閥より
よっぽど身分高いし♪
私に任せて!!」
「えっ、ちょっ…
わかばさん!?」
なんだろう。
この久しぶりな
ワクワク感…
まるで、3年前の時のよう