第一話、小説家殺人事件
早朝、天空山の登山道で死体発見の通報を受け、警察女神青(ブルー)こと、松田久理主率いる『猫空警察特別攻撃隊』が現場に急行した。
「青様、こちらです」
到着すると、刑事が久理主等を出迎え案内する。なお、特別攻撃隊のメンバーは、久理主以外に、吉元明、灰金雪男、吉元知加江、灰金菘、吉元志乃、灰元雪江、灰元明江の七人がいる。
なお、武装甲冑餘神衆の鎧はポリスモードになっていた。
死体のある場所につくと、額を撃ち抜かれた男の姿があった。
「射殺か、実弾だな」
明は額の傷を見たあと、鑑識の者に尋ねる。
「貫通している様だが、弾は出てきたか?」
「いえ、まだ出てきていません」
「もしかしたら、殺害現場はここでは無いかも」知加江が辺りを見回して言った。
「はい、その可能性もあります。周りに出血が無いので」
明と知加江、鑑識の者とで話をしていると、雪江が身元を確認出来る物を見つけた。
「免許証と名刺が有りました。東八(とうや)・ハリヱーノ、二十八歳、職業は小説家」
「な、何!」
「ど、どうしました兄さん!?」
急に叫んだ明に雪江が驚く。
明は、この時昔の事件を思い出していた。
六年前、一人の小説家が殺害された。
犯人は出版社の社長で、原稿の扱いが悪いと抗議してきた小説家を殺害したのだ。
当然、社長は逮捕され死刑となり、出版社は倒産した。
その原稿は小説家の遺言で世に出ることはなかった。
「死んでから売れても何の価値も無い」
と言っていたのを思い出していた。
今回の事件と繋げるには無理があるが、明は思い出してしまう。
「明さん、どうしました?」
久理主が明の顔を除き込んできた。
「いや、何でも無い」
気を取り直し、明は久理主と共に捜査会議に向かった。