江口『それから、今日は事務所で働いてる奴がもうすぐ来るから。
俺の弟なんだけど宜しくね。』
いずみ『そーいえば江口さんていくつ?』
江口『俺は40歳。ちなみに弟は35。いずみちゃんとは4つ違うだろ?』
いずみ『そうね。江口さんは40歳には見えないね。
若すぎ…。』
江口『なんだよ!それはお互い様だろ?いずみちゃんだってどー見ても20代だよ。
男は皆騙されるよ。』
いずみ『騙されるってひどくない!』
私たちはテレビを付けてみた。
………私が財閥の令嬢なのもすべてバレてる。
テレビだから、名前や顔は映ってないけど。
…ピンポーン!
誰か来た。
玄関の扉を開けると知らない男の人が立っていた。
江口『おせーぞ!和。』
リビングから大きな怒鳴り声で江口さんが玄関先までやって来た。
和『悪い兄貴…。
初めまして!僕江口和です。』
いずみ『初めまして、森下いずみです。とりあえずどうぞ!』
中へ案内した。
外見は江口さんとは違って派手な感じではない好青年風だわ。
…ん?腕に包帯?
いずみ『腕…どうしたんですか?』
和『それが…。』
なんだか言いづらそう。
江口『何かあったんだな?』
和『…………。』
私に言いづらいこと?
江口『和、いずみちゃんはアラタとの事は覚悟の上だから、何でも話していいぞ!』
和『事務所にいずみさん宛てで手紙が届いてたんです。中にカミソリが入ってて。
沢山のファンレターに紛れてたんですけど、手紙の端が切れていてカミソリの剥が出ていて…。』
いずみ『そんな………。』
私は硬直してしまった。
私のせいだ。
続く…。 11話No.3