ダルは録音を聞く前に先程「警察に連絡してくれ」と言った事を少し後悔していた。しかし、ダルにとってはM.Tと同じくらい母校には二度と悲劇を起こさせたく無かったのだ
(絶対に気付かれる前にぶっ飛ばされてやる)
そうダルは、心に固く誓った
〜再生中〜
『やぁ。君達の悪運も大したものだねぇ』
男は調子よく褒めるが……
「前置きはいいからさっさと次の場所を言え」
エドが促すと
「では言おう。しかし、君達の実力を見誤っていたよ。君の運転技術・射撃。勿論ダル君の判断力もだ。楽しみになってきたよ。では、ヒントを言おう“出ル杭ハ打タレル”これが、爆弾のありかで解除法だ。健闘を祈るよ」
〜再生終了〜
録音を聞き終える頃にはダルを乗せた車は繁華街へ向かっていた
「ばっ爆弾の……ありかってわっ分かったのか?」
ダルがGに絶えてながらエドに聞く。あまりの重力に思わず舌を噛みそうになるが、何度かエドの爆走を体験した事によって少しだが慣れた様だ
「“出る杭は打たれる”ってジャパンのことわざなんだ。優れてる物は憎まれ叩かれるって意味で、この街で優れてる物を爆弾を使って叩くって事………更に杭みたいに長細い物つまりビルと思っている。街で優れてるビルと言えば最近建てられ他のビルと一線を画してる……」
「キングタワーって事か!だが、繁華街であのタワーが崩壊したら!!」
キングタワーとは、最近建てられた高さ300mの高層ホテルのことだ。
エドのヒントにダルは納得した様に頷くが、最悪の場合を考えるとゾッとする
「そう言う事。絶対に解除しないといけないけど、あそこは車の量が半端ない……時間内に着けるか」
エドの額から汗が一筋流れた
「K学園といいキングタワーといい……イカれてるな、犯人」
ダルが生唾を飲み込み答える。エドは更にギアを上げスピードを上げる
キングタワーに近付くに連れて予想通り車の量が多く上手く進めなかった。残り1キロって所でようやくキングタワーを視認できた。
しかし、これより先は渋滞していて全く進む事が出来なかったのだ!!!