?夏?
あの花火大会から数日がたち、今日はバイトもなく、桜並木道で1人たたずむ。
あの花火大会から、麗桜さんの事が頭から離れない。
恋をすると、こんなに苦しいものなのかと、実感する。
しばらくすると向こうから誰か歩いてくる。
近ずいてきた時ふと見ると、虎氏と麗桜さんだ。
『りゅう』
虎氏 なにしてんの?
『虎氏』
デート。
『りゅう』
なんで・・・?
『虎氏』
嘘だよ、麗桜さんがお前の事捜していたから。
『りゅう』
そうなんだ・・・僕はほっとした。
『虎氏』
じゃあ俺行くわ。
麗桜さんまたね!
そう言って虎氏は去っていく。
『りゅう』
麗桜さんどうしたんですか?
『麗桜』
うん・・・
私明日帰るから、最後にりゅう君にお礼だけ言おうとおもって。
『りゅう』
そうなんだ・・・帰ってしまうんですか。
『麗桜』
りゅう君に初めて逢ったのも此処だったね。
私あの時どうかしてて、ごめんね。
りゅう君の一番好きな場所荒らしちゃって。
虎氏君が言ってたよ、りゅうに逢いたかったら家か桜並木道だって!
あいつ桜好きだからって!
『りゅう』
麗桜さんあの時泣いてましたよね?
何かあったんですか?
『麗桜』
あの時は・・・
失恋したの。
これ以上何もきけなかった。
『りゅう』
麗桜さん明日何時に帰るんですか?
『麗桜』
皆に挨拶してからだからお昼ぐらいかな。
『りゅう』
僕送ります、送らせて下さい。
『麗桜』
うん・・・ありがとね・・・
つぎの日
僕は昨日の夜は一睡もできなかった。
麗桜さんに手紙を書いていたからだ。
気持ちだけつたえたかったからだ。
お昼になり、自転車で駅に向かう。
駅に近ずくにつれて、ドキドキしてきた。
更にちかずくと、駅の方から親方たちが来る。
『親方』
りゅう速く行かないと、電車でちまうぞ!
僕は自転車を乗り捨て走る。
駅のホームに着くと、電車はもういない。
僕は暫くの間ホームで座り込み何もできなかった。