私と桜は、遠足での件以来、ずっと二人で楽しんでいた。
私が初めて桜の家に遊びに行った時、
「ようこそ、大和君」
嬉しい顔で迎えくれた。
桜の両親とは、初対面ではなかった。学校の授業参観日等で会っていたからだ。父親の方は、とても真面目で頑固だなと思っていたが、私を見るなり、
「桜が、いつも君の事を話してくれてるよ」
父親の明斗さんは言うと、「ちょっと、お父さん!やめてってば!」
慌ていた桜の顔は、とても赤くなっていた。
母親の美由紀さんはとても静かで、桜の親だなって、すぐに分かるぐらい落ち着いていた。
「こんにちは、大和君。ゆっくりしてってね?」
ニコッと笑う顔は、桜そっくりだったので、桜は母親似だなとすぐにわかった。桜の部屋は、桜の花びらのようにピンク一色だった。「びっくりした?こんな部屋で」
自分の部屋について聞いてくるが、
「ううん、桜らしいよ。桜はピンクが似合うし」
思ったように答える私に、「ありがとう。嬉しい」
そう言いながらも、また顔を赤らめていた。
部屋の机には、私と一緒に写っている写真があった。二人とも、とても良い笑顔だった。
「大和君、私ね?」
話し始める桜を私は見た。