各馬一斉にスタートする。内枠の二頭がテンから飛ばしていくが、外から好ダッシュ決めた鹿毛の馬がハナを奪う。真ん中からは雄大な馬格でパワフルに先行集団の直後につけた一番人気の馬が、直ぐに折り合いをつけて追走。ファーストグレイは発馬後手踏んで後方からの競馬になってしまった。
阪神マイル戦では先行有利という事を知らない陣内だが、ファーストグレイの位置取りを見て「まずい」と思った。そしてやはりこの距離は短すぎたと思い、馬主と厩舎の間違ったレース選択に憤りを感じた。
最初の１ハロンこそ三頭のテンの争いになって新馬戦ながら１０秒台のハイラップを刻んだが、最初のコーナーにさしかかる頃にはハナ切った鹿毛の馬が抑えてペースが落ち着く。青鹿毛で、黒光りする馬体が迫力の一番人気馬は、ペースが落ちてもシッカリと折り合っている。リーディングサイアー独走中の父に、重賞ウィナーの母から産まれた良血馬で、流石のレース運びである。
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