あたしが、クラスメイト達から嫌がらせを受ける様になった頃から、
ユカはサチヨと仲良くしだしたんだケド、
その、サチヨと普段仲の良い筈のユカが、次の瞬間――
聖人とあたしが思いも寄らない言葉を――
サチヨに対して言ったんだ――
『サチヨ。あたし、何だか今になって、自分が奈央に対してしてきたコトに、後悔してるんだ。
それに‥‥あんたのその、人の噂や中傷ばかりを掻き集めて、
他人に言い触らしてるのを見ていると、
最近、あたしは物凄く‥‥嫌悪感に襲われる。
あんたは気付いてないかも知れないケド、
あたしは、あんたのその、“お喋り”な性格を利用したんだ。
奈央に対しての嫌がらせをする為に。
その為には、あんたのその“お喋り”な性格を利用しない手は無かったからね。』
ユカは、サチヨに淡々と話し続けた。
何故、ユカは突然、今まで仲良くして来たサチヨに対して、
こんなコト言うんだろうっ‥‥て思った。
あたしは、ただ黙って、ユカとサチヨのやり取りを見ていた。
その理由を見つけるべく――
聖人は、あたしの不安な気持ちを察してくれたのか、
ただ、黙って側にいてくれた。
そして――
ユカとサチヨの会話に、
一緒に耳を傾けていた。
『何よユカ!!何を今更イイコぶってんのよ!!
奈央が気に入らないから、嫌がらせをしようって、
そう言ったのは、あんたじゃない!!
それを今になって、寝返る気?!
今度はあたしを悪者に仕立てようって気?!
あんたって、相当性格悪い女ね!』
ユカの言葉に、
サチヨがキレたんだ。
サチヨがキレるのも無理は無いのかも知れないと思った。
事実、あたしに数々の嫌がらせをするように、クラスメイト達を誘い込んだのは、
全てユカが仕組んだものだと、
最初から分かっていた事だから。