ぎらぎらとした真昼の太陽が、砂浜を照りつける。
青空に浮かぶ綿飴のような雲が、次々と形を変えるくらいに風は強い。
僕の頬を潮風がなでる。
遠くの水平線を見つめると、あなたがこの島から去った先週の土曜日を思い出す。
白いワンピースの裾をはためかせ、僕に「大学受験頑張ってね! 」と、一言残して行った。
僕は、あなたのことを愛していた。
そして、僕は今でも諦めきれずにいる。
さらさらした砂を握りしめると、それは指の間からこぼれおちる。
こんなにも、寂しい砂浜を僕は今まで見たことがない。