メアリーと出会った日から3日、最初の補給地点であるグランヴ島が見えてきた。
島にあるグランヴィ国は小さいなりにも活気がありとても平和な国だと聞いていた。だが…
「何だ?やけに騒がしいな。さっきからオルヴィアの船が島のまわりをぐるぐる回ってるけど」
「さぁ、囚人でも逃げ出したんじゃないの?」
マミーはのん気に爪の手入れをしながら応えた。
いくら平和とは言え何も無いことは無いとは思っていたが上陸してグランヴィの街を歩いていたときにまた物騒な出来事に直面した。
「待てこら!ガキ!」
「止まらねぇとぶっ殺すぞ!」
ソラと同い年くらいの少年が更に幼い子供の手を引き複数の暑苦しい男達に追いかけられている。
「どっちにしろ殺す勢いだなあいつら」
キャプテンは鼻で笑いそんな事お構いなしでまた歩き出した。
と、そのときマミーはキャプテンを突然呼び止めた。
「キャプテン、行っちゃったわよソラ」
「は?もしかしてさっきのガキ共を助けにか…?」
マミーはコクリと頷く。
「まったくあいつは…またヒーロー気取りか」
2人はやれやれといった感じでソラを追いかけた。
「やっと追い詰めたぞ。そのガキを渡してもらおうか」
追い詰められた子供はジリジリと建物の壁際に追いやられる。
「やっぱりやるしかないな」
少年がそう言って腕を大きく振り上げようとした時だった。
「待て!」
剣を携えたソラが割って入ってきた。男達は何事だといった様子でソラに視線を移した。
「誰だお前!邪魔するならお前もぶっ殺すぞ!」
「やるんならさっさと来いよ!バーカ」
ソラのやすい挑発にのった男達は一斉に怒号を響かせた。