ファーストグレイが早めのスパート。４コーナーを大外から捲っていく。先頭は鹿毛の馬で直線向く。コーナーを回りぎわ、バラけた最内から一番人気の青鹿毛。大外からファーストグレイ。
白熱のレース展開は、新馬戦ながら盛り上がり、少ないながらも観衆から声援が飛び交う。
先頭の鹿毛が二枚腰で突き放しにかかるが、驚異の瞬発力でグングン差を詰める青鹿毛。それを更に上回る脚を使って追い上げるファーストグレイ。
直線の攻防は完全に三頭の争いとなっていた。
直線に入ってから肉眼で見える様になり、陣内はファーストグレイに向かって「差せ！差せ！」と絶叫していた。産まれてこの方出した事の無い程、あらん限りの声を振り絞って応援する。
ラスト２００ｍで鹿毛がバテた。失速してその内を青鹿毛が、少し遅れてその外をファーストグレイが交していく。二頭のマッチレースとなり、残り１００ｍ、先頭青鹿毛が粘り込みをはかるが、追い込むファーストグレイが１馬身差にまで詰め寄って来る。
[476] 
[0] 
[0]
