「あ、同じクラスの奴ら…」
こうちゃんが言うと、彼らも私に気付き口々に喋りだした。
「彼女連れてんか」
「星窪の制服じゃん!オジョー?」
「ってか噂の貧乳ちゃん!?」
「!ちょっ、おまっ」
こうちゃんが最後に発した男子の口を塞ごうとしたけど…。
(噂?…貧乳?)
思わず引きつってしまう。
(こうちゃん…学校で私の事、そんな風に言ってんの?)
明らかに引いてる私にこうちゃんが青ざめた顔で『違う!』と訴えかけている。
そんなの、こうちゃんが言わなきゃ広まったりしないじゃない。
マフラーをキュッと握りしめた。
私が居心地の悪さにうつ向いた、
その時――
「ウッサイ、お前ら!!」
いきなりこうちゃんが仔犬みたいに吠えた。
自分より大きな4人を前に。
電車が来て、呆然としてる彼らから遠ざかるように、こうちゃんは早足で歩き出す。
私はそんな彼に手を引かれ、鼓動を高鳴らせていた。
だって、あの日以来だから。
こんな風に触れられるのは――