君のために(9)

じゅりあ  2008-09-10投稿
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しどろもどろ頭を掻いてみたり、手を合わせて謝ったりしてる俺を見て、彼女はやっと声を出した。

「べ、別に…誤解してるの、こうちゃんの方だし」

「え、だってメッチャ怒ってる…?」

「…怒ってないよ。焦ったって言うか〜」

…イヤイヤ、焦ってたのは俺だよ?

その後、何も続けないもんだから暫く二人とも無言だった。

(何か話題…神様、話題をくれっ!!)
いつもメールであれだけ会話してるのが嘘のようだ…。

トンッ…

手の甲に温かい何かがあたって、それがさおりんの手だと気付くのに時間はかからなかった。

「手、つないでい?」

!?


嘘だろ?
彼女の方からそんなん聞けるとは!

「う、ぅん!」

何か声裏返ったし!

そっと彼女の手を受け入れる。

「今日、寒いし…、さっきの温かかったからっ」

窓の外を見つめながら言う彼女の顔も真っ赤で、俺はようやく気付いた。

あぁ、怒ってた訳じゃなかったんだ。



もしかして、彼女も俺と同じ気持ち―…?



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