「ちっ。流石に数が多い」
ぶんぶんと槍を振り回しながらランスォールはぼやいた。
横目でみんなを見るとシーラは先端に刃のついた扇で舞うように戦い、ラウフは双剣を巧みに使いこなしている。雪とイツキはといえばイツキがすばやい動きで片っ端から攻撃を繰り返し雪は初級魔法で一匹ずつ確実に狙い撃っている。
二人とも幼いながらに巧く戦っていた。
「キリがないな。」
小さく舌打ちをしまだ戦っている仲間たちに大声で言った。
「俺が道を開くから走れ!!」ラウフが頷くのを見た。
ランスォールが魔物たちを蹴散らしている隙に四人はその間を全速力で駆け抜けた。
やがて少し先に進んだところで休憩がてらランスォールをまっていると息を切らしたランスォールが走ってやって来た。
「お疲れさん。ナイスファイトだ。」
ラウフとハイタッチを交わし少し休むと五人はまた歩いて先に進んだ。
そして見つけた。
御神家によりマーガックの滝裏の洞窟の一番奥。
『聖域』と呼ばれる光の中にぼんやりと浮かぶ盾は何とも神秘的な姿で五人を迎えていた。