…まぁ、この事を遼や怜に言ったら『お前けっこー安いよな…』って言われそうだけどな…。
「…うん、美味しかった、ご馳走様」
「御粗末さま。
…あっ、もうこんな時間だ!そろそろ学校行かないと不味いよ?」
「ああ、そうだな。よし、行くか」
「うん!」
そう言って食器を台所に水を張って置き、俺達は家を出た。
俺達の家は学校から見て北東辺りにあり徒歩十五分程度で着く。
この村の建造物の配置は大まかに見て、中央に村役場があり、そこを中心に北側に村人全員用の大きな畑、東側に学校、南側に軍施設、西側に立入禁止にされているデッカイ建物がある(ここは一体何だろうか?)。
「…そういえば、あいつらって何処に居るんだっけ?」
「えーと、確か三本林で待ち合わせしてた筈だけど……あっ、居た!おーい!遼お兄ちゃーん!怜お姉ちゃーん!」
二人を発見するなり呼びながら駆け出す麻衣を見て俺も少しばかり小走りをして追った。
待ち合わせ場所には一組の男女が雑談しながら俺達の到着を待っていた。
最初に麻衣の声に気付いたのは女の方だった。
「――からね…あっ!来た!おーい!麻衣ちゃーん!シーーン!」
「おーす、怜」
続