?冬?その弍
バスに揺られ何処かに向かっている。
しばらくすると麗桜さんが降車ボタンを押した。
降りてみると、そこはお城のある公園みたいな、所だった。
『りゅう』
ここどこですか?
『麗桜』
金華山だよ。
ロープウェイに乗って上まで行こっ
『りゅう』
はい。
ロープウェイは混んでいた。
かなり麗桜さんと密着している。
頂上に着くとお城があった。
『麗桜』
りゅう君天守閣まで行こうか?
『りゅう』
はい。
二人で天守閣まで登った。
天守閣に登るとそこは、岐阜が一望出来る場所だった。
『りゅう』
凄いですね!
麗桜さん・・・!
と言って麗桜さんのほうを見ると何か考え深い面持ちでこっちを見る。
『麗桜』
りゅう君どうして、来たの?
『りゅう』
僕、麗桜さんに逢いたかったんです。
今でも僕、麗桜さんの事大好きだし。
僕、麗桜さんに何があるか解らないけど、全部受け止めたくて。
『麗桜』
ありがとね・・・
私、前の彼の事忘れられなくて。
りゅう君の気持ち凄く嬉しい。
私が吹っ切れればいいんだけど・・・
『りゅう』
分かりました。
僕、麗桜さんが吹っ切るまで待ちます。
『麗桜』
・・・
しばらく景色を眺め、下に降りようと、ロープウェイ乗り場に行くとロープウェイが故障して動かないらしい。
仕方なく歩いて下山することにした。
しばらく歩いていると麗桜さんがくたびれて座りこんでしまった。
『りゅう』
麗桜さん大丈夫ですか?
『麗桜』
うん。
少し疲れただけ。
ふと、見ると麗桜さんの足から血が出ている。
スニーカーに染みてきていた。
『りゅう』
麗桜さん僕おんぶしますから、背中に乗ってください。
『麗桜』
そんなの、悪いよ。
『りゅう』
こんな、状況じゃ歩けないですよ!
歩かせるわけにはいきません。
『麗桜』
わかった。
ごめんね。
僕は麗桜さんをおんぶして下山した。
何回も休憩して一生懸命降りた。
凄く疲れたけど凄くしあわせだった。
下に着くと僕の背中越しに
りゅう君ありがとね大好きだよと僕の耳元でささやいた。