そこにいたのは、犬のようなライオンのような生き物が、何かを食べていました。この世の生き物ではなかった。
グチャ・・グチャ・・
「何・・・あれ・・?」
サクヤは、その場に立ち尽くしかできなかった。
その生き物が、食べていたのは、人だった。
その光景にサクヤは、嘔吐してしまった。その時、人を食べ終えた生き物が、サクヤに気づいた。
「グオォォォォォ!!」
生き物は、サクヤに向かって走ってくる。
『サクヤ!早く逃げて!!』
「ダ・・メ・・立てない・・」
サクヤは、その場に座っりこんでしまって立てずにいた。その間にも生き物は、サクヤとの距離を狭めていった。そして
「グァァァ−−−!!」
『サクヤ!!』
「くっ・・・!」
サクヤは、目を閉じた。生き物の鋭い爪がサクヤに向け、振り下ろされたその時、突然、風が吹いた。後から普通とは思えないほどの風が通り抜けていった。
「スラッシュウィンド・・・」
「グワァァアォォ!!」
生き物の断末魔が轟いた。サクヤが目を開けて見るとそこには、腕が無い生き物が苦しんでいた。
「大丈夫か?」
そう声をかけてくれたのは、一人の少年だった。
サクヤよりに2〜3歳、年上に見える。それにサクヤが一番、目に入ったのは、瞳の色だった。その瞳はバラのように真っ赤だった。
「もう大丈夫だ。成瀬サクヤ」
「どうして・・・私の名前を・・?」
「それに関して後で説明する。今は奴を倒す方がが先だ」
そう言うと、彼は腰に掛かっていた2本のサバイバルナイフを引き抜いた。
そして、彼は呪文のような言葉を言い始めた。
「氷の王よ。我に力を貸し、悪なる者を倒せ・・!」
その言葉の共にサバイバルナイフに光が宿り、サバイバルナイフからは、冷気が漏れていた。
「次の一撃で決める。覚悟しろ・・・アルファ!!」
「グォォォアァァ!!」
アルファは、こちら向かってきた。
「吹雪の如く・・・氷彗閃!!」
その時、空気が一瞬で寒さを増し、アルファを凍りついた。完全に凍りついたアルファを見て、彼は、少し笑い、言った。
「砕け散れ・・・!」
そう言うと凍りついたアルファが、ガラス細工のように崩れ落ちた。
「終わったか、大丈夫か?成瀬サクヤ」
「は・・い、大丈夫・・で・・・す」
そう言うとサクヤは、気を失ってしまった。