私の話、聞いてください。
あ、今から言うのはほんとのことだから、信じて?
私いじめをしてたんです。
クラスの里奈子っていう子。
理由は特になくて、ただ単にストレスのはけ口って言うか。
少々何やってもはむかってこないし、誰にも絶対言わないし。
ただ時々何の感情もないみたいな死んだ目でこっちを見てくるだけで。
その目は怖かったけど、顔見なきゃわかんないし、無視してた。
でも里奈子、死んじゃったんだ。
ショックだった。
まさかしんじゃうとは思わなくて、それから沢山後悔した。
理由もなく友達いじめて自殺に追い込んだ。
里奈子が自殺した日、一緒に帰ってた皐月が私に教えてくれた。
私のこと、嫌いじゃないっていってたって。
ホントはちゃんとしゃべって、一緒に遊んだりしたいって。
ずっとずっとしゃべったり遊んだりできる友達になりたいって。
だけど、今のままじゃ絶対無理だから、
私にちゃんと見てもらえるようにいい方法思いついたって。
そういって笑ったんだって。里奈子。
それ聞いて私、ホントどうしていいかわかんなくなった。
それでももう私にできることは棺の中の里奈子にただ謝ることだけ。
それだけだって・・・思ってたんだ。
でもね、違ったの。
里奈子は私に毎日会いに来た。
どうやってかって?
窓の外に立ってるんだよ。
厳密に言うとマンションの5階にある私の家のベランダの柵の向こう側。
最初はびっくりしたけど、だんだんなんだかうれしくなった。
謝れるとおもったんだ。
それで窓開けてちょっと体を乗り出した。
そしたら・・・里奈子が私の腕引っ張ったんだ。
幽霊なのに、私に普通に触れててびっくりしたんだ。
あ、信じてないでしょ?
うそだと思ってるでしょ?
でも、ほんとだよ。
だって・・・私が書いたこの文章、読んでるでしょ?
私、あの後アスファルトに落ちて死んだんだ。
今は里佳子と一緒だよ。
そう、永遠に一緒。
ずっとずっと一緒におしゃべりして遊ぶんだ。
もう、逃げられないんだ。
後悔、先に立たずってホントだね