僕は少し父親を羨ましく、いとおしく、思っていた。
何一つ思いでもなければ、面影も無いが、やっぱり僕は父親が大好きだ。
母親に父親の写真を持ちなさいと言われ持っていたが
なぜ?
と聞くと父親も僕が産まれてから、7ヶ月までの写真を持ち歩いていたらしい。
僕にとって写真の中の父親は動く訳でもなく、喋る訳でもなく、笑ったり、泣いたり、怒ったりするわけでもない。
ただの写真だ。
僕は父親の事がしりたくなった。
母親に話しを今まで聞いていたが、本当の所どんな人だったのか解らない。
分かっていたのは確かに僕の父親だったって事だけだ。
でも、もう母親に聞く事も出来なくなった。
昨日母親亡くなった。