タイムアウトを取った植村は4Qが終わり、真剣な表情で言った。
「4Qはアレを使う。全力で勝ちに行け!!」その言葉に三鷹メンバー全員が力強くうなずいた。
第4Qが始まり、大和は三鷹の陣形に驚いた。
「これは・・1―2―1ゾーンディフェンス・・」
ゾーンディフェンスとは、一対一でつくマンツーマンと違い、一人ずつ範囲を守るディフェンスなのだ。
「1―2―1はインサイドを固めてやがる・・簡単には攻めれねぇ。」そう言ってシュートを放つ。だがリングに弾かれ、インサイドに3人入っている三鷹がボールを取る。
「インサイドが強いなら、アウトサイドに打たせればいいだけのことだ。」
植村は一人つぶやく。大和は考えていた。翔人が心配そうに動く。千咲のシュートが決まり、42‐72と点差を離した。
「オレらにゾーンを破る攻撃は出来ない。なら・・」大和が切り込み、中山と高木がディフェンスにつく。大和は2人を引き付け、修司にパスを出す。修司はシュートを放ちリングに収まった。
「破れないなら、頭使って意地でも破る!!」
大和はあえて三鷹のゾーンディフェンスに挑んでいた。西条全員がそれにうなずいた。