「もうやだよ。」
一人の少女がつぶやく。
肌寒い冬の朝、一筋の涙が流れた。
――消えろ、消えろ、消えろ、消えろ………
クラスメートの声が聞こえる。
私の名前は吉本カナ。
学校に行かなくなって一ヶ月が過ぎた。
「そろそろ卒業式か…。」
学校の事を考えると頭痛がする。
でも、やっとこの日々から抜け出せる。
そんなことを思うとホッとしていた。
私は高校生として他県に引っ越すことになった。
―――おそらくどこに行っても変わらない。
でも、この地獄から抜けられるのなら何でもいい。
こうしている間に冬は終わり春が来た。