俺は今、高校の入学式に出席している。
ここは原橋学園という私立学校だ。
公立には落ちた…。
でも、ま、高校ライフを楽しむつもりだ。
〜教室〜
「学級委員を決めます。」
担任の藤田先生が言った。四十代半ばの男性教師。
担当は数学らしい。
「はい!」
俺はビシッと手を上げた。「えぇっと、君は…。」
「出席番号三番、浦田ゆうきです。」
他に手を上げる奴はおらず決定した。
〜一週間後〜
「浦田!部活どうする?」
友達の三重しげる。
すぐ気が合った。
いわゆる情報屋で色々と詳しい。
「ところでよ、気になる子とかできたか?」
「あぁ………。」
実は気になる子がいた。
「吉本カナって奴。」
正直言って一目惚れした。入学当日の学級委員挨拶で彼女の顔を見た時にビリっときた。
三重は手帳を開きペラペラとめくった。
「吉本カナか…。あの子は確か他県から来たらしいぜ。地味だけどよく見たら中々の美人じゃないか。」
長い黒髪に、スラっとした体。
読書が好きなのかいつも本を読んでいた。