「わかりました。ありがとうございます」
セイル達四人はその心遣いに感謝して、もう一度深く頭を下げた。
「おう、来たか」
フードの人物が小屋の中に入ってきたのを見て、グラムはにやりと笑った。
「…」
フードの人物は一つ小さく会釈をして、側にある椅子に腰掛けた。
「次の命令だ」
グラムはしわだらけになった紙を、フードの人物に手渡した。
「…!」
フードの人物はそれを読んで、一瞬、肩を震わせた。「はは、お前さんのその反応、初めて見たぜ」
グラムは楽しそうに笑いながら、フードの人物の肩を軽く叩いた。
「…」
フードの人物はそのフードの奥からジロリとグラムを睨みつけると、紙を返した。
「当然、お前さんもこの命令に従うよなあ?」
「…」
フードの人物は少し間を置いて、小さく頷いた。
「よっし!それなら話しが早い!早速、今夜決行するぞ、いいな!?」
「…」
今度もフードの人物は少し間を置いて、小さく頷いた。
「よし、遅れるな…って、何だよ?」
フードの人物は身振り手振りで、
「ヤツには伝えなくていいのか?」
と、尋ねた。
「ああ、伝えなくていいみたいだぞ。何でも、『駒を捨てる時が来た』からだそうだ」