「よし、もういいぞ、座れ。
序でにまあ、聞き流してくれても構わんが紋章は生れ付いて持っている者と後から発現する者には何か決定的な差があるらしいが…一体どんな差があるんだろうな?
…そういえば、刻印者は十人に一人の割合で現れるそうだが…うちのクラスで刻印者は何人くらいいるんだ?はい挙手!」
一人、二人、三人と手を挙げる。
ちなみに手を挙げたのは俺、怜、遼、だ。
「ほう、そうか、よし下げていいぞ。ふむ、案外いるもんだな。まあ、人数が三十人ちょいだから割合からは凄い多いって訳ではないな。
さて、それでは――む?」
先生が次に進もうとするのと同時にベルが鳴った。
「うーむ、鳴ってしまったか。まあいい今日はこれで終わろうか。次は教室移動だから遅れるなよ、では終わろう――ああそうだ、シン」
「はい?」
ん、何だ?
「放課後、職員室に来てくれ。少し用がある」
「ああ、はいわかりました」
先生が去った後、遼、怜、幸姉が俺の傍に来た。
「一体何の用だろうな、稜子先生」
「先刻の妄想についての指導じゃないのー?」
「まさか」
「先刻の…〔ぼっ〕」
「幸姉!赤面しないで!!」
「私が慎弥さんの想像の中で…」