憎らしいほど明るい朝。
僕はまだまだ夢の中でした。
夢の中で、僕はひとつの煌めきと出会いました。
けれどそれは、僕が油断するとすぐに消えてしまうのでした。
だから僕は、いつかまたその煌めきに巡り逢える日を楽しみに待つことにしました。
君との初デート。
それは僕自身の初デート。
僕は緊張している時間を噛み締めながら君を待っていた。
いつ君が来るのかはわからない。
それに僕は君のことを何一つ知らない。
知っているのかもしれないけど、今僕が待っている君が誰なのかは全く知らない。
だけど、君を喜ばせたいと自然に思うのであった。
そう思うとなおさら、心臓がどんどん小さくなるのを感じた。
そして君を待ちながら、僕は君を想うのであった。
純粋に僕が待っている君が誰なのかを知りたかった。
君にとって僕がどんな存在であるのかを。
君と僕はいつ知り合って、いつの間にこんな約束をしたのかを。
それら全てがまだ僕にはわからないままであった。
稲穂がゆれ、やさしい風が吹いていた。
夕焼けの中で、烏が僕に話しかけているような気がした。