「よし!それじゃ出発だ!」
「てめぇがキャプテン面すんな!」
キャプテンに小突かれるソラ、それを見て笑うマミー。夜更かしさせられ眠さのあまり目をこするロキとキー。
新メンバー加入での初出航の日だ。ソラはなんとなく特別な日だと勝手に思っていた。
スカイウォーカーの後輩ができたのも『なんとなく』嬉しい。
船着き場までの道のり、昨日ドタバタしていたせいで気づかなかったがグランヴィ国の街は石畳が敷き詰められた綺麗な街だった。
まだもう少しこの街でゆっくりしたかったがそうもいかないようだ。
「まったく…またうるさいのが来たぞ」
5人が船着き場に着くと昨日の男達が待ち構えていた。
無視することも考えたがそうもいかないようだ。男達はノアの真ん前ですでに剣を抜いた状態だった。
「ロキとキーは下がってろ」
ソラが指示するとキーはロキの後ろに隠れた。
だがロキは下がろうとはしなかった。それどころか腰を低く落とし戦闘態勢に入っている。
「キー、下がっていろ」
「お前武器も持たずに何する気だよ!」
ソラがロキを止めようとした瞬間ロキの右腕は真っ黒い影に覆われた。
「で、出たぞ!『悪魔』だ!」
男達は一瞬ひるみソラとマミーは驚きのあまり口をポカンとあけている。キャプテンはと言うと…なんとも楽しそうな、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「ダンテに鬼将軍…それに『悪魔』相手に勝算あんのかよ!?」
「そんなもんあるかバカ!船長の命令だ!やるしかないんだよ!」
まさに『やけくそ』男達は叫び声をあげながら突っ込んできた。
ロキはソラを押しのけ巨大化した悪魔の影で数人の男を振り払った。
それに続きソラはマミー直伝の剣技で敵を翻弄し、その剣の師匠であるマミーは鞘も抜かず男達を叩き伏せる。
銃を使いこなすキャプテンには誰一人として指一本触れることさえできなかった。
言うまでもなく決着はすぐについた。
途中集まってきた野次馬の声をうるさく思ったが終わってしまえばなんだかヒーロー気分だ。
5人はのびた男達を後目にノアに乗り込んだ。