――そして運命の日。
俺とゆうぱちはスペースランド行きのバスに乗り、たあいのない話で静かに盛り上がりながら、あっという間に目的地についた。
「今日は金使いまくるぞぉ!」
「ヒロヤはいつもそう言ってるよな。」
楽しむぞ!!って、今日1日は日頃の孤独感から解き放たれるぞっ!!って、輝かしい今日という日に心全てを預け、俺は背伸びした。楽しめたのは実際、2時間くらいだったのだが。
俺らはいろんなアトラクションに乗る計画をたてていた。とりあえず、〈ガズラの逆襲〉と〈ムーンライトトリップ〉まで乗り終わった。次はメインと言ってもいいアトラクション、〈スペースレンジャー〜悪の組織を倒せ〜〉である。題名はいかにも幼稚でちゃちいが、人気はおそらくこのテーマパーク1を誇っている。
「すっげえ行列だな。」どこまでも続く長い人の列。
「スペースレンジャーはあとにすっか。」
炎天下、並びっぱなしで疲れるより、ちがうアトラクションに乗ってるほうがよっぽどいい。俺はそう思い、ゆうぱちに言ったのだが「いや、おれずっと前から乗りたかったんだ。並ぼう。」
ゆうぱちがめずらしく、根気よく並ぶことを選んだ。