母親の葬儀がはじまった。
凄い人だ、なんせ母親は会社の社長をやっていたからだ。
僕がここまで大きくなったのは、今は亡き父親の存在と、母親の努力のおかげだ。
僕は母親に対し反抗することもなく今まできた。
そもそもそんな気はなかったが今思えば少しぐらいよかったかなと思う。
正直もう少しだけ甘えたかったのも本心である。
葬儀が終わり弔問者が僕の所に来て挨拶をしていく。
見た感じお金持ちそうな人ばかりだ。
僕のなかで更に母親の存在が大きくなっていく。
後一人だと思い挨拶をすると、何故か僕の名前を知っている。
失礼だとは思い、どちら様ですか?
と聞くと、母親だけではなく、父親の事をよく知っている人だった。
僕はたった今一人になったが僕の心の中には二人は生きている。
親孝行はこれから出来ないが、何か出来る事があるはずだ。
その為にも最後にきた人は重要な存在だった。