貴方と出会わなかったら…
あの子と巡り会わなかったら…
私は幸せの半分…
…いえ
何が幸せなのかなんて気付かずに
きっと私の人生は終わってた
貴方に…あの子に…
出会って…
私…は…
そう言いかけて
眠るように逝ったお前の顔はぼやけてしまっていた
自分が泣いていることすら気付かずに
ただ呆然と立ち尽くすしかなかった俺の隣
ママぁ…ッ!
息子が必死にお前に呼びかけても
いつものあの包み込むような…聖母のような…あの愛おしい声は帰ってこず
息子の叫び声だけが部屋に響いた
もはや声を押し殺すことも立っていることもできずに
俺は泣きじゃくりながら崩れ落ちた
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