奈央と出会えたから。<224>

麻呂  2008-09-17投稿
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『ミズホさん。サトル君とH校受けるんですよね?!頑張ってください。』



『あはっ。奈央ちゃんありがと。』



あたしは、ミズホさんの、そのキュートな笑顔が大好きだ。


『奈央ちゃん。あたしとサトルが卒業しても、たまには、また4人で遊ぼうよね!!』



ミズホさんの口元から八重歯が覗く。



やっぱ、ミズホさんは可愛い。



『はい。でも‥‥ミズホさんとサトル君が卒業しちゃったら、寂しいな‥‥。』


あたしがポツリと呟くと、



『大丈夫!!奈央ちゃんには聖人がいるじゃん!!アイツ、凄くイイヤツだから。

いつでも奈央ちゃんのコト、思ってるし。

だから寂しくなんかないわよ!!』



―とミズホさん。



違うもん。



そうじゃないのに。


ミズホさんとサトル君に、会えなくなったら寂しいなって意味なのに。



『あたし‥‥ミズホさんがサトル君のコト好きだったなんて知りませんでした。』



『あはは。そうよね。だってあたし、今まで自分のキモチ、誰にも話したコト無かったもの。』



ミズホさんのふわふわの茶色の巻き髪は、今日はトップでおだんごにされている。



『ところで奈央ちゃんさぁ――』



『はい?!』



『まだ‥‥してないの?!』



そう言って、悪戯っぽく、あたしの顔を覗き込むミズホさん。



『してないのって?!何をですか?!』


そう答えたあたしに、ミズホさんは更にあたしの顔をじ〜っと覗き込んだ。





『エッチに決まってるでしょ!!』



至近距離で顔を覗き込まれた状態で、



そう質問されたから――



あたしは、目を逸らすコトさえ出来なかった。





『まだ‥‥してないです。』



カァァァ―ー‐‥‥


真っ赤になっていく顔の火照りで、



チョコが溶けてしまうんじゃないかとさえ思った。



『あはは。可愛い。赤くなってるぅ。

あたしも‥‥サトルと、まだキスもしてないんだ。』



ほんとに?!



ミズホさんが?!



信じらんないっっ――

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