「私たち家族だけが…助け出されたという事ですか…!?」
セイルは震える声で、言った。
「ありえるでしょうな。恐らく、貴方達が助かった時点では、何人かがまだ息があったかもしれません。…あのロイ君の友達のように…」
「っ!」
リグラの言葉に、セイルは思わず息を呑んだ。
「さて、それでは一体誰が秘密裏に貴方達を救出したか、です。…心当たりはありませんか?」
リグラはセイルをじっと見つめながら、静かに尋ねた。
「…いや、そんな…まさか…」
セイルは愕然とした表情を浮かべながら、何度も頭を振った。
「…ロザラム…ではないですかな?」
「えっ!?」
「なっ!?」
その名前を聞いた途端、セイルとライルは揃って驚愕の表情を浮かべた。
「実はですね。先ほどは黙っていましたが、ロイ君達はロザラムに襲われていたのです。これは本人達から聞いた事ですので、嘘ではありません」
「何ですって!?ロイ君がロザラムに!?」
セイルは訳が分からないといった表情で、頭を抱えた。
「詳しく話して頂けますかな?」
ライルは厳しい表情で拳を震わせながら、リグラの目を見つめた。
「もちろんです。事は急ぎますからね」
「急ぐ…ですか?」