「起きなさいクロノス。13回目の目覚めですよ。」
…またこの声だ。いつも名前も分からない誰かに起こされる。
「あなたは12回の死と13回の再生を繰り返した。必要な記憶だけを残し死と再生を繰り返す。あなたは知っているはずです。自分が何をするべきか」
あぁ…、知っている。俺は壊すために生まれてきた。必要な記憶だけ残されて…
必要な記憶?
何回目からだろうか…。なんとなく…なんとなくだが何か大事な記憶を忘れているような…。一番大事な記憶を…。
だがなぜだろう。
そんなに大事なものなのに、壊し方は覚えているのに、なぜかそこだけ思い出せない。
「あなたには必要無いからですよクロノス」
この男は俺が何を失ったのか知っているのか?
「さぁクロノス、お仕事です。また、壊してきなさい。あなたがする事はそれだけです」
俺がやるべきこと
壊すこと
この暗い部屋を出た後は
あとは壊すだけ…