ファーストグレイ?

よっしん  2006-06-07投稿
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陣内の絶叫は思いの全てを叩き付ける程だ。後少し。後一馬身。
その絶叫が通じたのかどうなのか、陣内にそんな認識が湧くはずもなかったが、青鹿毛の馬とほぼ同じ脚色になりそうだったのが、ゴール手前でグイッと伸びた。そして二頭の馬体が並んだところでゴール。
ほぼ同体の決着に観客席からどよめきの声が広がった。
坂下まで先頭だった鹿毛の馬がアラアラになりつつ三位入線。以下団子状態で次々と後続の馬がゴール板を駆け抜けて行った。
青鹿毛の馬が一瞬早くゴール板に届いた様に見えるが、脚勢はファーストグレイが完全に上回っていた。三着から以下は直ぐに確定したが1、2着は写真判定となった。
陣内は半ば放心の体である。期待はしていたものの、まさかここまで走ってくれるとは思っていなかった。相手は良血馬で、調教でも時計を出していた一番人気馬だ。そんな馬を向こうに回して互角にやりあえたのが本当に驚きだった。
息荒く、汗だくとなった馬体のファーストグレイがゆっくりと戻って来る。その姿を眺めている内に、思ったより早く写真判定の結果が出た。



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