「あの時ね、もしかして嫌いって言われる気がしたの。私、本当に長くないから」
暗くなりながら話す桜に、「桜は大丈夫だよ。オレが桜の悪い所を、全部良くしてあげるから」
今思うと無茶苦茶な発言だったが、
「ありがとう、大和君。私頑張るから、ずっと傍にいてね?」
私の隣に座り、寄りかかってきた桜の肩をギュッと掴んで、
「頑張ろう、桜」
勢いでキスしたが、抵抗しない桜は、ただ黙ってキスを受けていた。
初めてのキスは、とてもドキドキしたのを覚えている。これが忘れられない記憶になった。
桜はしばらく、私から離れずにいてくれた。だが、時間だけが私達の関係を許してはくれなかった。