そしてそんなことを考えながらいた僕のもとに、ついに君は現れた。
君は優しげな顔をして僕の方へ走ってきた。
君は輝いていた。
眩し過ぎる光が僕を包み込んでいくようであった。
僕の緊張はいよいよ最高潮だった。
けれど君は僕の目の前まで来ると、急に、
「ありがとう」
と言った。
僕が反射的に、
「え?」
と言おうとしたけど、そんなことも言えないくらいすぐに君は、
「待っててくれて」
と言ってくれた。
僕はその時、自分の頬が熱くなることに気づいた。
その時僕は、君に対する僕の気持ちがわかった。
そして君は僕の方に手を差し出してくれた。
僕は手が震えていた。
この震えが君に伝わることが、すごく恥ずかしかった。
そう思いながらも、僕の手は君の手の方へ近づいて、そして繋がった。
僕は驚いた。
君の手も震えていた。
さっき僕の方に走ってきて、まだ脈拍が落ち着いていないせいだろうか。
けれどなんとなくこの手の震えは違う気がした。
それは僕に幸せを感じさせるものだった。
そして僕ら二人、手を繋いだまま前へと歩き出した。
行き先はわからない。
けれど二人はあてもなく、ただキラキラした方へと歩いて行った。