拝啓 愛するアナタへ
ちょうど、夏も終わり
秋の涼しげな風が吹き始めた
今日この頃。
わたくしは毎日犬の世話や
家の周りの花達の世話で
老体にムチを打ちながら
日々精進しております。
そちらはどうですか?
戦争などがあるのでしょうか?
わたくしは日々アナタのコトが
心配で心配でたまりません。
申し遅れて悪うございますが、
わたくしには
家族というものができました。
しかし家族ができたというのに
わたくしはアナタのコトで頭が
いっぱいなのです。
早く…… 早くその戦場から
一刻も早くアナタがお戻りに
なる事を日々ねがっています。
今、負けそうで泣きそうで
消えそうになったときは
思い出してください。
わたしと
共に過ごしてきた
あの日々を……。
あの若かりし頃のおもひでを。
どうかアナタがご無事で
生きて帰れる事を願います。
拝啓 この手紙、読んでいる
アナタが幸せだという事を
ねがいます。