ロストクロニクル2―1

五十嵐時  2008-09-18投稿
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タクトはネートーの家で傷を癒すとすぐに出発した。パールに「危険だからホースは置いて行く」と言われた時は驚いた。
「ネートーから食料は貰ってきたからね。それよりも、今は東の方にいるんだけど、北へ行く?それとも南?」
「魔導師の村は南にある。だから、南さ」
「わかったわ」二人は歩き出した。 「そういえば『木彫りの不死鳥』の『頭』見つかったわね」
「うん。あと『胴体』と『翼』と『脚』と『王冠』だ」
タクトは噛み締めるように答えた。
「『勇者の血』もね」
パールは再び質問した。
「タクトって、なんであんなに足速いの?ベルズ鉱石の剣まで持ってるし」
「剣は父さんの形見なんだ」
「そっか」
「パール、魔導師の村に行く前に寄り道してもいいかい?」
「ええ、どこ?」
「オーシーのすぐ南の剣士の多く住む『パット』っていう村だよ」
「どうして行くの?」
「ルパスに宣戦布告されたことを教えた方がいいかなと思って、それにウェイトもいるかも知れない。そろそろ着くと思うけど・・・ほら、ここさ」
「えっ?ここ?」
二人の目には何もかも壊されてしまった村が広がっていた。
「どうなってるんだ。あんなに人や建物があったのに・・・」
「来たことがあるの?」
「うん、父さんと一緒に、・・・サソリか」
「いえ、多分違うわ。だって、まだ煙が立ってる建物があるもの。つまり
・・・」
「まだ犯人が近くにいるかも知れない」
タクトがパールの台詞を奪って言った。
「でも、多分大丈夫でしょう。誰かいないかな」
「誰もいないよ。無駄な時間を使ったなぁ。さっ、早く魔導師の村へ行こう」
「少し待ってはくれんかのーそこの旅の方、助けてはくれんか」
声のした方を振り向くと瓦礫の下敷きになった老人の姿があった。
「大丈夫ですか!今助けますからね!」
タクトとパールが二人係りで老人を助け出した。
「いやー、すまんなー、ありがたい」
老人はボロボロになった白い服をきていた。
「何があったんですか」
「実はのー、R11に村が襲われたんじゃ」
「R11!どんな姿でしたか」
「17ぐらいの青年じゃったなー」
「別のR11みたいね」
「ウェイトを連れ去って行った奴とは違うみたいだね」
その時後ろから声が聞こえた。
「てめえら、何者だ!」



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