グランヴ島を経って一週間。ドラゴンの巣、世界のゴミ箱などが存在するエリア、パーゲタリまでたどり着いた。
新メンバーの2人は相変わらずほとんどしゃべらないが船での生活には慣れてきたようだ。
今まで男ばかりだった船に幼いながらも女の子が加入したことで幾分船の中にも華がでてきた。
朝はいつもマミーに起こされていたが最近はキーが起こしにきてくれる。なんとも心地の良い目覚めだ。
…………
「ソラ、起きなさい。パーゲタリに入ったわよ」
…どうやら今日は違ったようだ。
「…何?なんかものすごく不満そうな顔だけど」
「いや、何でもないです」
「そう?ならいいけど。パーゲタリは危険区域だから見張り頼むわよ」
そう言ってマミーは部屋から出て行った。
パーゲタリは不吉な空域と言われ知らないものはいない難関区域だ。
インフェルノ、コキュートスと呼ばれる煉獄、地獄に通じる場所だと言われている。
おまけに幽霊の目撃例も多数あり、空賊が大船団を結成したという情報も入ってきている。なんとも厄介な空域だ。
ソラは「よし」と気合いを入れてベッドから飛び起きた。
部屋を出るとキャプテン達はもちろんロキとキーも既に起きていた。
ソラは眠い目をこすりながらコーヒーカップ片手に座っているキャプテンに話しかけた。
「次は世界のゴミ箱だよね?そこに何しに行くの?」
キャプテンも眠いのかあくびをした後ソラの質問に応えた。
「3つ目のオーディンのプレゼントを捨てに行く」
キャプテンが言ったことはソラには何のことやらさっぱりだった。
「この世界によく似たまったく別の世界があったらしいんだが。この3つ目のプレゼントのせいでその世界は崩壊したらしい。だがこの世界では幸い複製されることなく、そうされる前に俺がオリジナルを手に入れた。」
また何かでかい話になりそうだ…。
「つまり複製されてなければオリジナルを捨てることでそのプレゼントは世界に広まらないってこと」
マミーが続けて話した。
そんな話よりソラにとって一番疑問なのは…
「キャプテン達ってさ、すごいものいっぱい持ってるよな…」
素直な疑問だった。