小屋に戻るとそこにはいまだに講義するラウフと若干飽きつつそれでも興味があるといったようにそれを聞く雪がいた。
「う〜ん…何だこの異様な空気は?」
「あら、ずっとこんなだったでしょ?」
シーラは楽しそうに笑う。「そう…だったか?」
「そうよ。」
後になって分かったのだがこの時のラウフは酒を飲みながら話していたらしく、熱心に語るラウフを放って三人が寝た後も彼は一人話す相手がいないまましばらく語っていたらしい。
因みにラウフはこの夜のことを全く覚えていない。
ラウフの話がそろそろ同じことの繰り返しになってきた。
「お、この話はもう三回目だな。」
「後はもう放っておいても一人で語り続けるんでしょうか?」
雪はシーラを見上げて聞いてきた。
「でしょうねぇ。…今なんか窓に映った自分に話してるし。」
「こりゃ完全にただのヨッパライだな。」
四回目を語るラウフを遠い目で見ながら呆れたようにランスォールが言う。
「俺的には、ヨッパライに絡まれる前にさっさと寝ちまうのが最善策だと思うんだけど?」
「…デスネ。」
こうして三人はヨッパライの餌食になる前にそれを回避したのだった。
この日、シーラと出会った日以来の夢を見ていた。