ユミのお腹の子供は死んでしまった。
私は混乱した頭で一つの言葉を絞りだし口に出した
「ユミさえ元気でいてくれればまた子供は授かれるから、元気出して」
小さな声でユミが言った「だめなの」
「なにが?」
「私、もう・・・赤ちゃん出来ないんだって」
「そんな・・・うそだ」
ユミが首を振る
「ごめんなさい」
「ヒロ、別れて」
「なんで?」
「子供できないから」
「俺はユミのそばを離れないから、退院したら一緒に市役所行こう」
「良いの?」
「俺はユミを愛してるからな、嫌なのか?」
「ありがとう」
「早くなおせよ」
「うん」
翌日、嫌な夢を見て早くに起きた、ユミの姿が目の前で徐々に消えていく夢。
仕事を休んで病院に行くことにした
病室には誰もいなかった
看護婦さんに聞くと「亡くなりました、屋上から飛び降りたんです」
頭の中が真っ白になった
「ヒロ君」ユミの母がいた「ユミからの手紙」
母がそう言って紙をくれた
いつも優しいヒロへ
最後のわがまま聞いてください。
私を忘れて、今まで愛してくれてありがとう、愛してます
これがユミの終わりの日