『実の親に言われたのよ。ショックだったわ。あたしは実の親にも自分を信じてもらえなかったんだから。
結局、母はその時付き合っていた男に夢中だったって訳。
実の娘に、“あんたなんて産まなきゃよかった”って簡単に言えてしまう位、その男に夢中だったのよね。
そのコトがあってからよ。あたしが過呼吸の発作を起こす様になったのはね。』
あたしは――
何も言えなかった――
ただ――
黙って
――
ミズホさんの話を聞くコトしか出来なかった――
『だからさ、クリスマスパーティーのトキ、奈央ちゃんのお母さんに、初めてお会いしたけど、あたし、ステキだなって思ったの!!
そして、凄くカッコイイなって思ったのっっ!!』
こんな辛い話をしているのに――
そんな、明るく笑えるなんて――
『それで、ミズホさん‥今はもう大丈夫なんですか?!
体調の方は‥‥。』
丁重過ぎる位――
言葉を選んだ――
『あはっっ。治ったわよ!!あたしね、これでも立ち直り早いのよ。B型だしっっ。
だから奈央ちゃんも絶対治るから!!
大丈夫よ!!』
その表情は――
決して、無理をしている様には見えなかった――
本当に、もうそのコトについては、
吹っ切れたのだと、
そう思えたんだ――
『奈央ちゃん。話し込んでたら、時間がどんどん過ぎちゃったわ!!
ほらっっ!!
チョコが出来たら、後はラッピングしなくっちゃ!!』
『は‥‥はいっっ!!』
あたし――
ミズホさんのコト――
凄く強いヒトだと思ってた――
でもそれは――
あたしの誤解だった――
神様――
ミズホさんとサトル君が――
揃ってH校に合格出来ますように――