あの頃まで朝起きてコーヒーを飲むなんて習慣なかったのに、今ではあたり前だよ。なんだろね、うつるんだね。
「あの、…」
私が言い出しにくそうにしていると彼は
「覚えてないかもしれないけど俺の名前は隅沢圭吾」
すごい本当にエスパーみたい。私が言う前に動いてくれる人だ。
「ありがとうございます。あの、…」
また言いにくそうにしていると圭吾は
「昨日はまいったよ!奏ちゃんマジやばかった」
うそ…服きてたよ?でも記憶ないからな↓
「ごめんなさい、覚えて…」「覚えてないの?」
意地悪そうに笑う圭吾。
「はぁ…」
へこんでいると私頭を手のひらでくしゃくしゃとして
「大丈夫、やってないから」と今度は優しくなでてくれました。
この瞬間、私は恋に落ちていました。
「奏ちゃん!!」
半泣きの理沙が扉を勢いよくあけて入ってきました。
理沙とは、私の高1からの親友。昨日も一緒にクラブにカラオケにいった。
理沙のご両親も仕事が忙しい方で国内外を飛び回っている。だからほぼ私達は一緒。寂しさは半分。喜びは倍。絆は絶対だった。
「大丈夫だから」
さっきまでの不安げな私は一変、まるでお姉さんの様な私に圭吾は笑うのを必死にかくしていた。