「しょうがねえなあ。」
しぶしぶ、俺は同意した。
ぼーっとしていた。頭の中が空っぽだった。青い空が見える。カラスが飛んでる。あいつは、いつもなにして毎日を生きてんだ・・・・・?
ドンッ
背中が思い切りよくぐらついた。
この感じは、いつも味わう・・・・いつも笑顔でやる、あいつの・・・・
カオルの・・・
振り替えるとカオルの笑顔がそこにはあった。
「え、カオル・・・?」
カオルのそばにはカオルと仲の良いタイチがいた。
「ヒロヤたちも来てたんだな。」
笑顔だった。カオルは、ひたすら笑顔の表情を変えようとしなかった。
ゆうぱちはいきなりの事態にどうすることもできずカオルと目を合わせることもせずに、ずっと黙っていた。
「カオルも、来たんだ・・・・」
怖くて、それしか言えなかった。だけど、自分でも憎らしくなるくらいに俺の顔は笑顔になっていた。
「おう、俺らは今からムーンライトトリップに行くんだ、じゃあな!」
「おう、じゃあな!」
文字通りの作り笑顔で俺たちはカオルとその場をあとにした。
その時から、俺はカオルとも、ゆうぱちとも、一切話さなくなった。