優しい巨人のうた

hiro  2008-09-21投稿
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これは、誰かが拾った手紙……。

《小さな人間へ。
みんな、信じてくれないかも知れないけど、
僕は、背伸びをすると、雲の上まで手が届くんだ。
僕の姿は、みんなに見えないかも知れないけど、
僕は、地球の上に、独りぼっちで生きてるんだ。
だから、小さなみんなを見て、いつも元気をもらうんだ。
だけど時々、みんなに悪戯をしちゃう。僕に気付いてもらいたくて。
みんなのよく知っている、
『地震』は、僕が飛び跳ねて起こるんだ。
たまに、くしゃみで揺れちゃうこともあるけど。
『台風』は、僕が口笛を吹いて起こるんだ。
僕は、息が荒いから。
『雨』は、僕が泣いて、こぼれた涙なんだ。
僕は、泣き虫だから。
『雷』は、僕が花火をしているんだ。
ついつい楽しくてさ。あのゴロゴロした音も好きなんだ。
『曇り』の時は、空に暗い雲が浮かんでるでしょ?
あれは、僕がたばこを吸っているんだ。僕はもう大人なんだ。
『温暖化』は、僕が怒っている証拠なんだ。
最近みんな、仲が悪いでしょ?喧嘩ばかりだ。
国と国が喧嘩してるのを見て、つい、熱くなっちゃって。
みんな、協力して生きていかなきゃだめだよ。
僕みたいに、独りぼっちじゃないんだから。
そして、『晴れ』の時は、僕が笑ってるってことだよ。
太陽は僕の宝物。神様にもらったんだ。
ほら、空を見上げてごらん。
僕の宝物、みえるかなあ。
最後に、みんなに伝えたいことがあるんだ。
みんな、いろいろと迷惑をかけてごめんね。
みんなが仲良くなったら、綺麗な地球をあげる。
その時は、僕はどこか遠い場所にいくよ。
みんなを仲良くする。
これが僕の使命だから。
僕のことを忘れないでね。
さようなら。
優しい巨人より。》

「誰だ?こんな手紙を書いたのは!」
その時、雨がポツリと降り出した。
信じてよ!!とでも言うように。



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