「真紀って、なんでそんなに佐藤君が嫌いなの?」
大学の帰り道…
華菜が唐突に聞いてくる
「えぇ?なんでだろ。なんか、生理的に…?」
「そうなの?私は結構、佐藤君いいと思うけど」
「え〜、もしかして華菜って佐藤みたいのがタイプ??」
「えっ。ち、違うよ。そんなんじゃないけどさ、け、結構人気あるし!!」
と言いながらも真っ赤…
かわいいっ…
そっか、華菜は恋とか、やっぱりしてるんだろうな…、佐藤じゃないにしても。
てか、佐藤だけは辞めて欲しい、却下!!
気持ちを切り替えて華菜に聞く「好きな人とかいるの?」
「え?なんか珍しいね、真紀がこういう事聞くの。」
私ってどんだけ恋愛に興味がないように見えるんだ??
「今は居ないよ、前に好きだった人がいたんだけど片想いで…
もう、しばらく人、好きになりたくないかな?休憩中なの(笑)」
「そぅ、やっぱ辛いんだ。そういう気持ち、よくわからないケド…華菜、すごいね」
「真紀…?」
「あっ、ごめん。バイト行かなきゃっ!!」すっかり忘れてた…
今日から新しいバイト入ってたんだ。
初日から遅刻はマズイ…
「ごめんね」
「ううん、仕事頑張ってね☆」
私は華菜に手を振りながら…
猛ダッシュ!!
華菜、すごいね……
人をそんなに好きになれて…
あの言葉の続き…
言わなくて良かった。私にもいつか、きっとそんな人が出来るのかな?
一体いつ。
ドンっ!!
「…いったっ」
私は人とぶつかった反動で尻餅をついていた。ズキズキする。
「ごめんっ、大丈夫?」
「あっ、いいえ私が考え事してたので…」
「考え事?おまえが?」
なんか聞き覚えある声…そこにはあのっ!!佐藤亮が覗き込んでいた。
「うっわぁ!!」
「な、なんで?」
私は自然に構えの姿勢をとる…
「おっまえさ、なんか俺した?嫌われる事、せっかく、俺今日から仕事の先輩なのに…」
「は?」
「お前ここで働くんだろ?」
指差した先には今日からバイトに入るファミレスが…
「うそ…」
血の気が引くとはこういう事か。
「あっ、でもなんで私がバイトに入る事知ってるの?」
「履歴書見た」
はぁっ?だって、あれは個人情報〜っ(泣)
「店長が可愛い娘入るってたから、やっぱりチェックするじゃん?」
あぁ、だから今日、話かけて来たのか、いつもは突っ込まないのに…
「楽しくなりそうだなぁ」佐藤が笑う
すっごく嫌な予感