ロザラムは悔しそうに拳でベッドを叩いた。
あの後は地獄のような日々だったな…。店は俺の家族に物を売らなくなるし、家には石が投げ込まれるし…そんな中でもエミリアとミリス、サリアおばさんは俺達家族に優しくしてくれたんだよな…―＼r
ふっと表情を和らげて、ロザラムはベッドの上に寝転がった。
おじさんの方は…まあ、仕方ないよな。跡継ぎがいなくなって、悲しみのどん底にいたんだし。…ただ、あの町の人達に関しては別だ。俺の家族を滅茶苦茶にしたんだからな…―＼r
ロザラムは怒りの表情を露にすると、歯ぎしりしながら、もう一度ベッドを強く叩いた。
「さて…これからどうすかな…」
ベッドから起き上がると、ロザラムはぼりぼりと頭を掻きながら、呟いた。
とりあえず、あちらからの指示を待つしかないか…―ロザラムは一つ小さく息を吐くと、部屋から出て行こうとする途中でベッドの方を振り返って、
「ごめんな」
と、寂しげな表情で呟いた。
「それじゃあミリス、エミリア、城の人達に迷惑掛けないようにね」
サリアは心配そうな表情で、ミリスとエミリアに注意した。
「大丈夫よ。もうそんな歳でも無いんだから」
「…そういえば、ミリス姉ちゃんて幾つだっけ…？」
[432] 
[0] 
[0]
