裕美は思い出していた。
「翔人へ、しばらく離れて悪いな。オレは遠征でアメリカにいる。アメリカはすげぇとこだ。負けられないよ。いつか翔人がバスケを始めたら勝負しような。絶対負けないけどよ。翔人、オレに何があってもバスケを嫌いにならないでくれ。分かるよな?あとオレが帰るまで母さんを頼むぞ!
じゃあまたな 剣」
裕美と美咲の目に涙が流れた。
「これは剣が事故にあう二日前に書いたみたいなの。これを読んだ翔人はバスケを始めたの。父を越えようとしてね。」美咲は何も言えなかった。
「ごめんなさいね。こんな話して・・」
「いえ、ありがとうございました。」美咲は立ち上がり、翔人の家を後にした。「私も強くならなきゃ・・・」
美咲は夜空を見上げて涙を流した。翔人の過去を知り、胸が痛んだもののそれを決意に変えようとしていた。