「うん!大丈夫よ!!」
いつもの私のセリフ。大丈夫なんかじゃない。本当は嫌だ。
だって面倒だし、きついし…。
でも、私はすぐに「いい顔」をする。「いい人」に見られようとして。
それが一番楽だから。
私は、公立高校に通う二年生。山崎はるか。まぁ、普通。別に変な顔でもないし、太ってもないし、かといって、痩せてもない。本当に、フツー。
彼氏もいるけど、またこれもフツー。本当は、すごい面食いだけど、私には似合わない。だから、あきらめる…
当たり前のこと。
朝起きて、学校に行って、週2ぐらいで帰りに彼氏んちで、デート。で、そのままH。
友達がみんなそうしてるから。私も、別にそこまで好きじゃない彼氏とでも、Hする。まぁ、気持ちいいし。
ダイエットにもなるって、友達言ってたし。
でも、最近なんかどうでもよくなってきた。なんで、友達と同じなんだろ。
私って、何だろう。
でも、友達にはこんな事聞けない。馬鹿にされるし…。
あ〜ぁ。つまらない…
「ねぇ、はるか、今日遊ばない?」
優羽からの誘いだ。優羽は、まぁ、いまどきの子。メイクばっちり、髪の毛クルクル。私服だと、キャバ嬢みたいだ。
「うん。大丈夫!」
私は、またいつもの、大丈夫!
「じゃあさ、おもしろいとこ行かない?ってか、はるか、お金欲しくない?」
「えっ?」
私は意味が分からなくて聞き返した。
「だから、お金!バイトだよ!」
優羽は、一度言い出したら聞かないタイプだ。
だから、面倒くさいから、何も聞かずに「うん。大丈夫!」って、返事。
優羽に連れられて、来たのは、電車に乗って、五つ目の駅だった。
そこから、歩いて10分ぐらいにある、見た目にも怪しいビル。
「ねぇ、優羽?ちょっと、やばくない?」
私は、少し怖くなった…。
「はっ?さやか何?びびってんの?マジうける。」
優羽は、カラオケにでも行く雰囲気で、そのビルに入って行った。
エレベーターは、どんどん上がって、「チン」…扉が開いた。
でも、以外に中は明るくて、安心した。
でも、扉を開けた瞬間、一変した。
ソファーの奥で、きたないオヤジが、女子高生の胸を触ってる…。