初戦の敗戦から数ヶ月後、いよいよ第2戦を迎えることとなった。
『おかあちゃん、また試合やねん』
母親
『またやんのー』
『今度は大丈夫かいなー』
『う〜ん。分からんけどな』
母親
『こないだの女の子も出んのんか』
僕
『いや、また別やと思う』
母親
『いっしょに出たらええのに』
『せっかくお前とやったのに』
僕
『その、やったって言う言い方なんとかしてくれる』
母親
『ハッハッハッハッハッハッ』
〜そして試合当日〜
コーチの期待に答えるべく自然と気合いが入る。
相手は大学生。
週2回の僕とは練習量が違う。
『僕に勝てるかなー』気持ちの弱さが露出する。
〜そして試合開始〜
試合が始まると最初の気の弱さとは裏腹に、いきなり首投げで3点を奪う。
そして更に1点を追加し、その後1点を取られたものの、前半を4ー1とリードして終える。
〜そして後半開始〜
開始直後、またバックを取り、5ー1となる
『よーし、このままいけば勝てる』
『早く終れ』
『早く!』
しかし、残り1分。
スタミナが持たない。坂井さんとの時と同じ現象に襲われたのだ。1分という時間がこんなに長く感じたのは生まれて初めてだ。
そして、またも大技を食らう。
脇を深く差されて、反り投げという技を許してしまう。
そして一挙に5ポイントを奪われ、6ー5
の大逆転。
コーチも思わずアーアとため息!
〜そして終了〜
またも初勝利はお預けとなった。
しかし、これで、僕の課題がハッキリした。『スタミナ』だ。
坂井さんとのスパーリングが僕にそう思わせてくれたのだ。
始めからあまり飛ばしてはイケない。
それがハッキリわかった。
収穫はあった。
しかし、コーチは、
『何年やっとるんや』『何故勝てないか考えて次に臨め』
『おかあちゃん!またあかんかったわ』
母親
『またかいなー』
『おかあちゃんもちょっと気にしとったのに』
『まあえーがな』
『また次頑張り!』
『おかあちゃんも応援したるさかい』
『次は、親子で初勝利や!』
僕
『ありがとう』
続く。